最近、SDN 関係の記事が多いが、その中でも特に気にかける必要がある記事は
これだ。また、
この記事で下記のように書かれている。
引用
Intel が、この領域に参入してくるということは、SDN や OpenFlow のコモディティ化を狙ってのことであり、これまで Cisco や Juniper の聖域とされたきた高速スイッチが、より多くのソフトウェア・ベンダーや OSS などに開放されるということです。
もちろん同意。でも、これについては実はどんなメーカーでも同じ方向だ。CiscoもNexus3000、JuniperのQFX3500もBroadcomだ。ブロケードのNetIronシリーズもBroadcomを使用している。いままでだってそういったシリコンを買ってきて作ればよかったのだから何も変わっていない。Intel は Fulcrum を買収して Ethernet switch ASIC を手に入れたが、それは Broadcom/Marvell と並んだということであって、さして重要なことではない。市販品のASICでコストが下がっているのであれば、既に下がっている。確かに主要なスイッチ、ルータメーカーは自身のASICを差別化要素として持っているが、同じことが市販チップでできるのであれば、それを選ぶだけだ。
私が考えているSDN実現の本当のポイントは Xeon Phi のようなマルチコアプロセッサだ(Xeon Phiが本命だとは思っていない)。
この記事にあるように、サーバ仮想化プラットフォーム(正確には Software-Defined Datacenter 製品)からテナントネットワーク・システムを構成することがSDNの最終的な目的だとすると、L3/SLB/FW/IPS/vswitch などは仮想アプライアンスでいいだろう(極論だけど)。現状ではメモリとIOHとNICの間が遠いから、個々の点は将来のチップに期待。
いいたいことは、ネットワークサービスを支える「インテリジェンス」は、それが高速に安く動作するプラットフォームがあればそこに載せるだけだということ。そして、それを物理的に高スループットで転送するインフラは無くならないということ。
ファブリックはここにフォーカスしている。同じスループットのL2を出来るだけシンプルに構成するための技術だ。今のところ、FC/FCoEなどを含めたデータセンタ・ファブリックを構成する汎用シリコンが無いというだけで、もし出てくれば、選択肢にははいるだろう。(Broadcom/Mellanox/Intelはこの点においてちょっと残念)
冒頭の記事に戻るが、「物理スイッチ対仮想スイッチの戦い」というセンセーショナルなセクションがある。こここそ全ての人がごっちゃに考えている部分だと思われる。
一部引用
Open vSwitchのような仮想スイッチやVyattaのようなソフトウェアルータが登場したことにより、x86サーバ上にソフトウェアをインストールすることによって、物理的なネットワーク機器を導入しなくとも、スイッチやルータの機能を利用することができるようになってきました。
上記に書いた通り、これは Yes であり、No でもある。「物理的ネットワークを導入しなくても」という前提は、全てが巨大なモノリシックなサーバに同居する場合のみだ。全てのネットワークインテリジェンス、ワークロード(そしてブロックストレージ)が仮想されたとしても、実際には必ず分散システムになる。その際につなぐ物理ネットワークが必ず必要だ。このネットワークこそ「ファブリック」だ。仮想アプライアンス、仮想化されたワークロードをつなぐ仮想的なバックプレーンだ。
究極系でのIntelと今のCiscoなどはバッティングするはずだが、そこらへんはどう考えているのか聞きたい。
この時に仮想アプライアンスやヘテロベンダ環境の制御にオープンなAPIを使う。それこそブロケードのSDNのビジョンだ。実はこのあたりはIntelとも同じ発想と思われるが、我々にはプロセッサはないので、仮想アプライアンスベンダとして強調して欲しいものである(なむなむ)。
昔からARISTAはネットワークインテリジェンスの実装という面にフォーカスして開発しているのでわかりやすい。Pica8はここをコントローラにゆだねているという点もわかりやすい。汎用シリコン低価格化の2つの流れではある。