過去の投稿をみたらストレージ以外への応用を書いていなかったのでまとめて投稿。MLには投げたことがあったけど。
FCというと FC-PI, PC-LS, FC-FS などのリンクレベルその他のサービスがありますが、上位プロトコルについては、Fibre Channel Protocol と IP くらいしか使われていません。IP ですら、
Thomson GrassValley の映像系システムで、単に高速な IP インフラとして、システム内に閉じた使われ方をしているだけです。
実は世の中にはあまり知られていないですが、以下のようなものもあります。
FC-VI (Fibre Channel-Virtual Interface)
FC-AV (Fibre Channel-Audio and Visual)
FC-AE (Fibre Channel-Avionics Environment)
FC-VI は Intel/MS/当時のCompaq が規定している
Virtual Interface というメモリ間通信を行うためのネットワークを FC にマッピングするための規定です。ユーザ空間に対しリモートのメモリ空間をマッピングして、OSなどの介在なしにDMAしましょうという話です。結局 VI は一般には使用されず、お蔵入り。
FC-AV はその名のとおり、音声と(特に)映像を低遅延かつ広帯域幅で送るための応用に向いています。実際の応用は極めて特殊ですが、
Lockheed Martin の Arrowhead というシステムが使用しています。戦闘攻撃ヘリ Apache のナイトビジョン映像、火器管制システムは FC-AV にのっとった機器で接続されています。
FC-AE は、これまたその名のとおり、航空機用の応用です。fly-by-wire 制御のために考案された規格です。実際に使われているかというと、これまた Millitary 用途です。マクダネルダグラス(現 Boeing )の F/A-18 Hornet のシステムに使用されています。まだ検討段階ですが、次世代の宇宙船内のネットワークにもどうかという話はでています。
とまぁ、こんな感じでストレージ以外の応用もちらほらあるんですが、総じて特殊です。航空機の制御ではミリ秒以下(自動車で1ミリ秒)の遅延が求められるので、IPはもっての外、フレームロストはさらに問答無用という応用ではわりに有望視されています(いまでも)。